金曜券で挑むF1日本GP観戦(All for Seb)

前回の記事から少し間が空いてしまいました。

しかも今12月に2か月以上前の日本GPの話を書くっていう。我ながら筆が遅い…

それはさておき、セバスチャン・ベッテル選手のF1引退を大いに悲しんでいる私です。

セブ(ベッテルの愛称)が2022年の今シーズン限りでF1からいなくなってしまう。その事実が私を突き動かし、当初予定していなかった日本GPを見に鈴鹿サーキットへ一人はせ参じた件について綴ろうと思います。

行ったのは木曜と金曜だけなのに、それにしちゃ長い思い出話に良ければお付き合いください。




◆日本GP行く?行かない?

まず最初に前提として、私は数年に一回のペースでしか日本GPに行きません。

理由は単純にお金と時間が足りないから。すべてを捧げる勢いで毎年熱心に通っている方々には本当に頭が下がります。私には色んな理由で真似できません。。。

現地観戦は旦那と一緒じゃないと行く気がしないというのが本当のところで、私自身は時間の融通がきくものの、大抵は旦那が仕事の都合で無理なのです。2人で通しで行くとそれなりにお金もかかるしね。


だけど。

今年は状況が違うぞ。

いつも通りの事を言ってる場合なのか?

心の中の私が問う。

セブが大好きな鈴鹿を走るのは最後なんだぞ?


そう思うがままに、一度旦那にジャブ的な打診をしてみました。しかしやはり仕事上無理だと言う答えが返ってきました。

ですよね。知ってた。


◆さらに悩める

それでも私の中のもやもやはずっと消えず、毎日のようにセブの引退のことを考えている日々が続きました。

そもそも日本GPに関しては3年ぶりの開催でしたよね。新型コロナのせいで2年飛び、その間にもF1界では色々なことがありました。

(ライコネンの引退だって…ここでは深く掘り下げないけど、最後に鈴鹿を走って欲しかった)

ホンダはレッドブルとマックスでチャンピオンを獲って有終の美の撤退、と思いきやHRCとしての提携は続き、実質レッドブルとアルファタウリはホンダ仲間継続。そしてそこに属する日本人ドライバー角田裕毅くんの存在。

気付けば世界同様に日本でもF1人気は再沸騰し、今年の日本GPは指定席チケットが早々に売り切れ、自由席ですら直前に売り切れるほどでした。こんな売れ行きはここ10年以上聞いたことがない気がします。


それによって想像されるのは、大・混・雑。

私、強烈な人混みが苦手なんです。

無理に行って体調不良にでも陥ろうものなら目も当てられない。


やはり鈴鹿に行くのは無理だろうか?

セブがどこよりも愛する鈴鹿に帰ってくるのに?

彼の鈴鹿ラストランになるのに?

………。

……………。





◆出した結論は金曜券

お金も時間もかかる。不安要素もある。しかしながら、私はついに決意しました。

金曜券を購入して木曜と金曜だけ、私一人で鈴鹿サーキットに行く!

費用はできるだけ抑えて、人混みもピークを回避して、それでもセブに会いに行くんだ。

平日なので当然仕事がある旦那は一緒に行けません。本当に私のわがままでしかないです。それでも行くことを許してくれた旦那には本当に感謝しきりです。。。ありがとう。


行くことを決意して以降、ぼんやりと考えていたことがはっきりとした願望になりました。セブに感謝の気持ちを込めたプレゼントと手書きの手紙を渡したい、と。

ファンレターは過去に何度か出したことがあります。でも今回は鈴鹿に帰ってきてくれたセブにその場で渡したい。直接が無理でも何とか、他の手段なんか具体的に思い付かないけど、現地にいれば何かできることがあるんじゃないかって。

最悪、何もできなくて自宅にすごすごと持ち帰る結果になるかもしれない。だけど行くだけ行って、やるだけやってみよう。そういう気持ちだけが高まっていきました。


◆ただセブに会いたい木曜

かくしてほぼほぼセブのためだけに敢行された突撃旅。

日本GPの金曜券を手にまず木曜日の鈴鹿サーキットに向かいました。木曜日といえば、過去にはピットウォークやサイン会などのお客さん向けイベントが開催されていた日。しかし今年はコロナの影響で何もイベントはありません。なーんにも。

だけど私はこの日に賭けていました。コース下見を必ずするセブですから、イベントがないからといってサーキット会場に来ない訳がない。

たまたま出待ちならぬ入り待ちに出くわし、何人かのドライバーに手を振り見送ることができました。思わず気分が上がりましたが、いやいや、これが本題じゃないだろう、とその場を去ります。

メインゲートをくぐり、中に入ると一目散にコース下見に出ていくドライバーを待ち構えるポイントに行く。そこでは実際に何人かのドライバーを直に見ることができ、名前を呼ぶとリアクションを返してくれるのがめっちゃ嬉しくてテンションが上がりました。

やや近くではドライバーにサインをもらっている他のファンの方々もいましたが、今日の私の目的は本当にセブでしかないので、横目で見ているだけ。


だがしかし。

時間が経つにつれ、セブは本当に来るんだろうかと募る不安。

会場入りしたのは他のファンの方のツイートで把握していました。しかしその後はパドッククラブやメディア対応の様子が公式ツイートで出るばかりで、、、コース下見する時間ってあるの???と疑問に思い始めました。

コース下見、コースウォークとも言いますが、午前中から正午にかけてするもんだと思っていたんです。その時間はとうに過ぎ、コース上ではセーフティカーやメディカルカーが周回を重ねるばかり。もうチャンスはないのかもしれないと絶望的な気分になりかけていました。

何時間ここにいるんだろう…

ツイッターではグラスタに角田くんが現れた情報とか、グラスタからガレージを眺め楽しむ様をアップするファンの方々の楽しそうなこと。まぁ、私は今日このためだけに来たから構わないのだけど。目的を達成できないのはツライなぁ。でももう帰ろうかなぁ。。。

そう思っていた矢先。

同じくセブファンの装いをしたお姉さんに出会い、それがすべてを大逆転に導く。


「帰っちゃうの?ずっと居るよね?まだ諦めるのは早いよきっと!」

「!!!!!!!!!!!!!」

その後のあれやこれや…は長くなるので省略します。

結論だけ書いてしまうと、無事にセブに会えました(大号泣)。

とても短い時間の出来事で何も言えなかったし、数分前にはお姉さんの前でわんわん泣いていた涙もいざとなると全然出なかった。多分、必死さと緊張のせい。

ちょっと強引だったかもしれないのでそこは申し訳ないけれど、無事にプレゼントと手紙も渡せました。これが最大の目的で願いだった。叶って夢みたいだった。胸がいっぱいでいっぱいでどうにかなりそうだった。


お姉さんに出会わなかったら、きっと果たせなかったと思います。諦めそうな私を引き留め、そして本人を前に行動を起こす勇気をくれました。その場限りの縁でしたが私はきっと一生忘れません。ありがとうございました。

すべてが終わった頃にはもう夕暮れでした。

私は抜け殻のようになりながらもグラスタに足を運びました。ああ、やっぱりいいな。目前のメインストレートやガレージを眺めると一気に鈴鹿サーキットに来た実感がマシマシになります。

セブが再びコースに現れてランニングしに出ていくのを見送りました。

各チームのガレージに車やクルーが居るのは見えるけど、作業はもうほとんど終わってるのかな。横移動しながら雰囲気に浸っていると、タイヤ交換の練習だけ何度か見ることができました。何だかこれだけで幸せ。

いい加減暗くなってきたのでグラスタを後にし、出口に向かいながらたくさん撮り損ねていたF1ウィークならではの会場内の装いやパネルなどを撮影しまくり、帰途に着きました。

最高の木曜になりました。







◆あとは生F1カーを楽しむ金曜

さて、話は翌日の金曜に移ります。

この日はもう純粋にフリー走行を楽しむだけ。私にとっては今年F1カーが走る姿を生で見られる唯一の日です。チケットが金曜券なのでね。

それなのに生憎この日の天気予報はがっつり雨でした。これでは出発から若干気分があがりません。一番の目的も果たした後ですし。。。

そうやってあまり早く出発しなかったために、白子駅からのシャトルバスは結構な行列の長さでした。これは仕方ないです。今年はやっぱり例年よりお客さんが多いんだなと改めて思いました。


やっと鈴鹿サーキットに着く頃には雨も本降りで、なんだよちくしょう、と思いながらも用意していた雨具類を渋々装着しました。まぁ、雨の鈴鹿は別に初めてじゃないけど、普通にめんどくさい。

入場してグラスタ方面に向かっていくと、人、人、人。

え?え?今日金曜だよね?しかも結構な雨ですよ?

昨日も人は多い気がしていたけども、ほとんどの時間をセブ待ちに充てたので全体の様子が分からなかった私です。ただ金曜にこの人だかりは本気で今年の大盛況を実感させるのに十分でした。

私はここ鈴鹿サーキットにくるとドミニクドゥーセというお店のミートパイを食べるのですが、見ると既にそこそこの行列が。試しに最後尾に並んでみても一向に進まない。楽しみにしてたのに!時間がもったいないからもういいよ!…ちぇ。

あと話が前後しますが私の着ていたカッパ、レインコートがですね、FP1の後に腕がちぎれて壊れちゃったんですよ。百均製なんで別にそこまで期待していないけど、せめて一日くらいは耐えて欲しかった。

雨がまだまだ降る予報だったので鈴鹿公式ショップのポンチョを探し求めて歩きましたが、店内入場のための行列がエグイ!そしてガラスの向こうに見える店内の人混みもなっかなかのエグさ!時間がもったいないからもういいよ!


それより本題です。雨でもせっかくF1見に来たんだから、堪能しないと。

日本GP金曜の最高に良いところは、どの席でも見られること!よっ太っ腹!グラスタやカメラマン席など一部は除きますけどね。だから金曜だけでも見に来る価値は大いにあると私は思います。

本当は今年復活したと噂のデグナー観覧エリアに行ってみたかったんですが、雨だと分かった時点でそれは諦めました。雨具の完全装備は動きづらいのであまり大きな移動はできないなと。慣れた人なら何てことないのかもしれませんが。

そこで私はベタに、FP1をB2席から俯瞰で眺め、FP2を大好きな大迫力のA1席で見ることにしました。


やがてFP1のセッションが開始し、ホームストレート方向からエンジン音が轟き始め、近づいてくるその轟音とともにF1カーが姿を現しました。ウェットコンディションなのでたくさんの水しぶきをあげながら1コーナー、2コーナー、そしてS字、ダンロップへと姿を消していく。音の余韻をまだ少し向こう側で残しながら。

私は身震いしました。

2022年型マシンが走るところは初めて見ます。

シーズン当初はデザインがあまり好きじゃなかった。色んな部分が丸みを帯びたり何よりフロントタイヤの内側のあれが一番嫌だった。

でも目の前を走るあれをカッコいいと言わずして何と言うんだろう。

TVとは全く違う直に鼓膜に響くF1サウンド。走り込むにつれ速度が上がり1コーナーの飛び込みでひと際水しぶきを強めるブレーキング。

私は気付けば謎に涙を流していました。

年々涙もろくなってはいたけど、生のF1観戦でまさか涙しようとは。F1を全身で感じられる喜びと3年ぶりにF1が鈴鹿に帰ってきた歓喜。心から来て良かったと滲み出るように実感しました。

雨でテンションダウンしていた今朝の自分に言いたい。

ドライじゃなくても、ウェットでも、F1はくっっっそカッコいいぞ!!!!


そして私の一番のお目当てのセブが通り過ぎるたびに、私は心の中でめいっぱい彼の名前を叫びました。手紙にも書いた、最後の鈴鹿を楽しんで欲しいという気持ち。同時に沸き上がる今週がセブの鈴鹿ラストランであり、私にとっては今日この日が見納めであるという事実がこみ上げる。

また泣けてきちゃった。

ありがとうセブ。DankeSeb。

もちろん土曜、日曜と、この後のセッションも家のTVで見るよ。だけど今この時この瞬間に、自分自身の目に焼き付けたいセブの走り。ああ、この時間が永遠に続けばいいのに。







◆名残惜しくも帰宅のお時間

私は金曜中に帰宅しないといけないので、また帰りのシャトルバスの混雑を考えたら早めに会場を去るべきかと考えました。

けれども、どうしても足が出口に向きませんでした。結局FP2の最後の最後まで堪能してしまったし、終わっても名残惜しくてすぐには帰れませんでした。

その結果シャトルバスは案の定ものすごい行列になっていました。次第に夜になりかなり寒くなるし、終電に間に合うか不安になりながらの待機でしたが、何とかその日中に家に着くことができました。

帰りの新幹線では、この激動の2日間を振り返りながら、本当に来て良かったとしみじみと思ったものです。金曜券の値段ぶん以上楽しんだという自覚があります。

大好きなF1、大好きな鈴鹿サーキット、親愛なるセブ。

素敵な時間をありがとうございました。


帰宅して以降の土日、家のTVでセブ渾身の予選アタックでボロ泣きしたこととか、前夜祭での日本語スピーチで心臓が破裂しそうに感動したこととか、決勝でアロンソとすごい僅差フィニッシュして大興奮したこととか、これらは省略しますね。(今書いたけど)

以上、F1金曜券でセブに会いに行った話でしたー。






追伸、

文字ばっかりで読みにくいので写真をいくつか加えたいのですが、今ちょっと用意がなく時間もないので、一旦このままアップします。写真は後日で。


ー2022/12/27追記ー

若干のタイトルや本文修正および写真の追加をしました。


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